さて、日本では団塊の世代が75歳以上になるという超高齢化社会が目の前に迫ってきています。
そういった中で、私たちはシニアを対象とした体操教室の実施や健康に関する講習会などの講師としてシニアの皆さんの前に立つ機会があります。
その折に決まって感じることや思うことがあります。
それは、
このような集まりに参加されている方は、積極的で本当に偉いなぁ、良いことだなぁ!
ということ。
一方で、
こういった地域の取り組みや他の人と関わりを持たないシニアの方は、どうしているのだろう?
とも考えてしまいます。
ほとんどのシニアの方は、健康に対してどの世代の方よりも真剣に自分事として向き合っていることは知っています、
「介護が必要になり、家族や周りに迷惑を掛けたくない」
「今後、いつの日か、迷惑を掛けないか心配である」
とそれは決して他人事ではなく、自分事だと思っているに違いありません。
しかし、それは参加されている方という側面を見ているだけです。
まだまだ近隣の公民館で行われる体操教室などに積極的に外に出る方と、なるべく家から出ない消極的な方の両側面があるのです。
このように現実では、シニア層の健康に対する取り組む場は両極端に分かれてしまっています。
もちろん、年齢を重ねるにつれ行動範囲は自然と狭まってくるはずです。
移動手段が、以前は自家用車だったのが、バスなどの公共交通手段へ、だんだんその利用も億劫になり、
自家用自転車、そして徒歩圏内へと、どんどん行動範囲が狭くなってきているはずです。
そのような背景の中で、最も身近である自分の住んでいる近隣地域のイベントや取り組みにさえも顔を出さないシニアの方は、本当に心配です。
人と関わりたくない…。 何かするのも面倒くさい…。 という気持ちがどこかにあるのでしょうか?
たとえそうであったとしても、これから迫りくる超高齢化社会においては、
地域や人と交流することが非常に重要になってくると思います。 そのことも健康的な生活への”大切な一歩”になると感じています。
もちろん、住んでいるかどうかも分からない、最近全く顔も見たことがないというシニアの方に声をかけて誘っていくことは非常に難しいことでしょう。
人の健康の問題は、その個人一人一人の問題でもあるからです。
そうは言いつつも、社会問題として市区町村レベルで活動していかなければならない社会問題です。
実際、地域差はあるにしても自治会長さんや民生委員の方が積極的に取り組んでいたりもします。
そういった姿があるのは、本当にありがたいことです。このことは、社会的な問題と個人の問題に壁を作ってはいけない事柄だということではないでしょうか。
国を挙げて取り組むべき、私事ではない証拠なのではないでしょうか。
(次回に続く)