前回は、 「 忙しすぎて、運動する暇がない方へ 」 向けてのメッセージでしたが、
今回は、運動と免疫についてのお話です。
免疫というと、聞いただけでも難しそうで、良く分からないと思われる方もいると思います。
しかし、今のコロナ禍だからこそ、「免疫」 「免疫力向上」はキーワードです。
知っておくと得をする(?)、知っておかないといけない 「運動と免疫について」 のお話です。
なるべく分かり易く、お伝えしていきますね♪
さて、実は運動と免疫の詳しいメカニズムは、まだはっきりとは分かっていないようです。
分からないことがまだまだ多いため、理解するのも難しくなってしまうのですね。
しかし、一つ言えるのは、毎年冬になるとインフルエンザが流行ってきます。その時期には、風邪薬も爆売れだということ。
風邪薬が売れて、薬局、製薬会社はバンザーイですが、実は、そうなると免疫力は激減しているのです。
健康を考える製薬会社が、喜んでいるときに、我々人間のカラダの免疫力は低下している・・・。
何とも皮肉な話ですが、薬と免疫力には反比例の関係がありそうです。
具体的には、
風邪などカラダにウイルスが入ったら、自分の持っている免疫力を上げて対抗しようとします。
それが発熱です。
ですから、そこでむやみに風邪薬を飲んで、熱を下げようと(解熱)すると、免疫力が上がってきません。
このようなことは運動にも置き換えることができます。
運動を行って、免疫力を上げ、健康的で元気なカラダを目指そうと考える方は多くいます。
しかし、この運動も運動量が重要なのです。
薬も飲みすぎは毒であるように、運動もやりすぎは良くありません。
これは、海外の大学の研究でもこのように結論付けられています。
「適度な運動は効果的ですが、過度になると逆効果を生む場合があります。これは”Jカーブ効果”と呼ばれるものです」
Jカーブ効果とは、ある期間を超えると、初期とは逆の効果が生じることです。
運動を適度にすると、免疫力は確かに上がるとされていますが、それが過度になってしまうと
免疫力は下がって、逆に風邪を引きやすくなるのです。
この現象を研究発表したのが、2005年のイリノイ大学の研究でした。
マウスをインフルエンザ・ウイルスに感染させ、
この3つのグループで、その後の症状を調べました。
その結果は、適度な運動をさせた、グループⅡの生存率は82%。運動をさせなかった、グループⅠは43%。
長時間の運動をさせた、グループⅢはなんと、30%の生存率でした。
これは運動が免疫系に作用をもたらした結果だと言えます。
特に、炎症の促進と抑制という免疫系の働きの中で、長時間の運動は、炎症を過度に抑制するために、
免疫系の本来の働きを阻害してしまったということが言えました。
他にも、週に100km以上走る人は、風邪にかかりやすい。(1日平均15km以上走る)
フルマラソンの後は、免疫機能が低下する。
などといった報告もあるようです。
現在は、コロナ禍にあり、まだまだ予断を許さない状況下にあります。
いくら運動不足だかっらと言って、そんな時に免疫を下げてしまっては、元も子もなくなります。
ですから、適度な運動が大切であり、人の集まる場所などに行かざるを得ない場合には、
前日には適度な運動をすると免疫力が上がります。
心がけてみましょう!